子育てをしながらハンドメイドを仕事にしていく【第二話】

2017年7月9日 20:55
シイナの徒然

<<<前回の【第一話】のお話の続きになります

投資する力と気にしない技術

シイナ:まぁ、思うのは、いずれにせよたいしたリスクではないと思うんですよね。10万円投資して絶対に売れる商品が作れるとも限らないわけで、それは前提で、でも10万円くらいなんとかなると思うんです。
よく、「バイトすればいいじゃん」って思うんですけど、それでどうにかなる金額だと思うんです、悩んでいる金額って。
最初の一歩が踏み出せないのって、思ったほど恐れているものではない。
…というのは、わたしがお店を出したときにも思いましたね。お店だと何百万かかかるんですけど、しょせん何百万で、働いて返せない金額でもないし、困ったらバイトしよう、と。

まお:素晴らしい〜。
投資できないのは、損したくない、という気持ちが強すぎて、欲しいものが買えないのかもしれないですね。
人に何か言われるのかも、というのもあるのかもしれません。

シイナ:気にしすぎるパターン、ありますよね。

まお:「気にしなければいいのに問題」ありますよね。

シイナ:そう。確か家入一真さんの本でありましたよね。「ぜんぜん気にしない技術」。(←シイナのお気に入り)

まお:ありましたね〜

シイナ:そうそう、あの感じで、あのくらい気にしなければいいんですよね。

まお:確かに、すごいレベルで気にしないですもんね(笑)

シイナ:だって大丈夫じゃないですか。別に何億損しても(笑)
…というのも、なかなか現実的には難しいとは思いますが…。
でも、たとえば、大きな問題について考えると、自分が抱えてる問題って小さく感じませんかね?
すごく大きなものを見てると、自分の悩みって小さく感じたり。
わたしは展望台が好きなんでよく展望台から景色を見下ろして、あぁ自分の悩みってちっぽけだな、と思ったりします。
偉人の本を読むとかでもいいと思うんですけど。

まお:あぁ、確かに、スケールが大きいものを見ると、小さく感じますね。
スキーで「無」になるのと近いかも。
頑張ってると視野が狭くなっちゃうという難点がありますよね。
この「minneのアトリエ」という、小さな場所に居るとつい、視野が狭くなりそうで、そこはわたし自身も気をつけてます。
「minneの話だけをしても意味がないというか広がらない」というのをすっごく意識していて。
インターネットでモノを売るという視点の持ち方を、作家さんともよく話をよくしていてるんですよ。
別にインターネットじゃなくてもいいんですけど、自分の販売活動全般で、売れる場所がどこなのかと、自分の向き不向きと、それから、求めているお客さまがどこに多いか、ってのをminneの中だけで考えちゃうと、狭まってしまうよな、と。
それはどこで売ってどこで宣伝するにしても同じだと思うんですよね。
そういう広い視野を持たないと、どこで何をしたらいいのか自分で分からなくなってしまう。

シイナ:そこを自分で選べないとダメなんですよね。minneがすべてじゃないし、もしminneがいいのであればその理由を分かっていないと。その理由を分かるには、広い視野が必要ですよね。
この「視野を広める」って難しいと思うんですけど、答えを誰かに聞くのではなくて、「自分で試してみて確かめる」という行動があってはじめて視野って広がっていきますよね。
それを実感としてもたないと。

まお:もったいないですよね。その柔軟性というか、広がりをあえて狭めてしまうのは。

シイナ:そこはやっぱり、「正解を求めない」という姿勢が大事じゃないですかね。答えは自分の中にしかないから。人それぞれだし、状況に応じて答えが変わっていきますからね。
答えは教えられない。…といいつつ、わたしは教えるという仕事をしてるんですけど…。でも「正解」は教えられないよな、と思いながら日々過ごしています。正解に行き着くための、わたしの知っていること全ては教えるけど、「答え」は教えられない。選択肢として、いろいろな方法をお教えしています。

まお:そうです、そうです。正解は何でもいい。自分で見つけるという視点を持つと、作家さんも視野が広がるんじゃないかな、と。

シイナ:頑張れば頑張るほど視野が狭くなってしまうという傾向は確かにあるから、そうならないよう、できるだけ視野を広く、ときに気持ちをリセットすることですね。
リセットできる方法がそれぞれにあるといいですよね。スキーとかインラインスケートとか。
展望台もいいですよ。気持ちよくて。

まお:展望台はどこがおすすめですか?

シイナ:貿易センタービル展望台ってのがあるんですけど、東京タワーがよく見えておすすめです。
まおさんは、好きな場所、ありますか?

まお:そっかー、好きな場所…どこが好きかな〜?そういわれると…どこが好きだろう。あ、富士山は好きですね。
富士山はグッと来ますね。

シイナ:富士山、いいですね〜。スケールが大きいですね!このスケール感を感じるのって気持ちいいですよね。
大きいものを見るのは、いかに自分がちっぽけな人間かを確かめることで、じつは誰もわたしのことなんて気にしてないよな、って気づける。

まお:そうそう、誰かがわたしのことをこう言ってるとか、そういうことが気になって判断力が鈍っちゃうのってほんと、どうでもいいことですよね。

シイナ:「気にしない力」ですね!

かわいい!欲しい!「物欲」の源泉とは

シイナ:そういえば、こないだまおさんが、「お買い物が好き」って言ってて、それがすごーーく不思議だったんですよね。
わたしは物欲があまりないので、この物欲の源泉って何なんだろう?って。
みなさんお買い物するじゃないですか。minneとか、どこかのお店で買うとか、なんで「欲しい」って思うのかな、って。

まお:えー?何でだろう?お買い物…かわいいから…。
手元に置いておくのが好きだったり、自分が選んだものが人に認められたりするのもめちゃくちゃ刺激されますね。
「まおさんいつもかわいいもの持ってるね〜」って言われるとウキウキする、みたいなのも。
「選ぶ」という行為と、「発掘する」という行為が好きですかね。

シイナ:なるほど。誰も知らないかわいいものを知っているという。

まお:そうそう、自分の好きなものがどういうところにあるのかな、とか探し当てて、このお店にあるモノ全部好きだな、とかそういう発見も楽しいし。

シイナ:自分発見、ということですかね。

まお:そうかも。年数を経て行くと、結局20歳の頃に好きだったものと、今好きなものがほとんど変わらないんですよね。昔持ってたものを今持ってるのもあるし、昔買えなかったものが結局今も買いたいと思っていたり。だったら結局10年経っても好きなモノが同じなら、早くに買った方がいいじゃないですか。そういう判断がだんだんできるようになったのが、楽しい。

シイナ:自分の歴史も分かる。自分の成長も分かる。なるほど、そういったものを含めて「お買い物」が好きなんですね。モノそのもの価値だけでなく。

まお:そうそう、それ自体が好き。だから物欲…失せないですね〜(笑)

シイナ:わたしは物欲がないんで、すごく興味深いです。でもこうしてお聞きするとちょっと分かってきて気がします。

まお:でもシイナさんは、モノをつくることを仕事にしていて、でもドライに、別にハンドメイドがスゴく好きというわけではないとはっきり仰っていて、それも不思議ですよね。

シイナ:そのモノが、どうやって作られているのかとか、どうなってるんだろう??みたいな興味はすごくあって、そういう方向の探究心ですかね。まおさんのように、自分の歴史と絡めてモノを見つめるというよりも、モノそのものを見て分解していくのが好きなのかもしれない。
いろんな方がいらっしゃいますよね、みちくさのワークショップも、出来上がったモノに対して愛着をもって喜んでらっしゃる方と、出来上がるまでのプロセスに興味がある方と。

まお:うんうん、なるほど〜。
モノに対する見方の違い…、面白いですね。

シイナ:わたし、買い物がすごく早いんですよ。悩まない。

まお:要件を満たしていればOKということですね。

シイナ:はい。パッと決めちゃう。

まお:わたしも買い物にかける時間は昔よりもずっと減りましたね。以前はそれこそ一日かけて街中のお店全部見てまわりたい勢いだったんですけど、物理的に今はそうもいかないので、本当に好きなお店とか、自分の好きなモノがある場所を探すのは、格段に早くなりましたね。
昔から好きなもの一緒だね、っていう。

シイナ:うんうん、これまでのデータがありますからね。
自分を知るために買い物をすることと、自分を知るために人間ドックに行くことは同じなのかもしれない(笑)
データを溜めていくのは楽しいですからね。
※注:シイナは人間ドックが趣味です

まお:なるほど…、まさかの共通点(笑)自分の状況を知るために人はお金を使うんですね。

あっという間の30代、自由になれる40代、自分発見のデータを溜めて生きていこう

まお:ほんと、あっというまに時って過ぎて行きますよね。10年とか、ほんの一瞬なんですよね。

シイナ:そうそう、年を取ったからそう感じるのか…、不思議ですけどそうですよね。
わたしはあと数ヶ月で30代が終わります。

まお:ようこそこちらの世界へ…!わたしは今41ですけど、40代、楽しいですね。

シイナ:20代の頃よりも30代の方が俄然楽しくて、でさらに40代って楽しそうだな〜、とワクワクしています。

まお:そうなんですよ。40代楽しい!
だんだん自由になって、小さいことは気にしなくなるし、自分で消化できるようになって、世の中のちょっとしたルールが分かって来るというか、自分の軸で行きていけるようになりますね。
適当にふざけても、まぁ大丈夫、という安心感。大丈夫な範囲もわかってきているし。
シイナさんは自由でのびのびされてそう〜。
お店はずっと続けていくんですかね。

シイナ:そうですね。求められる限りは続いていきます。でも、ほんとにあっというまで、浅草橋のみちくさアートラボももうすぐ7年経っちゃうんですよ。

まお:わたしもこの「minneのアトリエ」に来て2年ですけど、2年しか経ってないんだなーって、思います。
課題が次々出て来て、それをクリアしていくと、ほんとあっと言う間に過ぎていくな、って。
20代の頃の働き方って、「これが終わったらラクになる」とか「もうちょっと仕事ができるようになってラクしたい」みたいな気持ちが強かったんですけど、30代は「仕事はやってもやっても湧いて来るからラクになることはない」と割り切れるようになって、「どれだけ自分で好きな仕事を勝ち取るためにその他の仕事を効率よく行うか」とか、仕事に対してのポジショニングをどうするかという、「考える方向性」みたいなものが変わったことで、すごくラクになりましたね。

シイナ:それも先ほどの、仕事とプライベートの境界が曖昧になることで、自分が仕事したり遊んだりできる「土俵」みたいなものがグンと広くなったということですかね。
20代の頃は、それこそ境界がはっきり分かれていて、「早くコレを終えて自由になりたい」みたいなのが、30代になって、「いや、そうじゃなんだな、すべては繋がっているんだな」、というのが、だんだんと分かってきましたね。
この感覚はすごく「ラク」ですよね。

まお:まえにシイナさんがおっしゃっていた、「決定権を自分にたくさん持っていた方がいい」って言うのが、本当にその通りだなーとすごく思いますね。

シイナ:そうそう、ラクなんですよね。決めることだけやっていればそれでいい。
人が作ったモノの方が、自分で作るモノよりも、いいモノであることってすごく多いですよね。

まお:そう、だからそれが物欲に繋がってるというか、とにかく「人が作ったモノ」というのが好きなんですよね。

シイナ:わたしも「人が作ったモノ」の方が、自分で作ったモノより俄然好きです。
ワークショップも、その感覚に似てますよ。みなさん、わたしが作る見本よりも、もっと素敵なモノを作ってくれるので。自分の想像を上回る作品が仕上がるんです。

まお:そうですよね。料理もそうやって「人が作ったものの方がいい」って割り切ればいいのかもしれないですね。人が作ってくれた方が美味しいし(笑)

仕事と育児のスケジュール管理

まお:でもまだやはり、家事を外注してるとなると、やっぱり市民権がないというか、なかなか堂々と言えないんですよね…。東京だとそんなことないのかな。

シイナ:そうですかね?わたしは結構外注してます。家事代行とか。お金で解決できることに悩む時間がもったいないし(笑)
PTAとか、学校行事とかはどうしてます?確か役員でしたよね。

まお:確かにPTAは大変なこともあるんですけど、やってやれないことではないですね。4月に、年間スケジュールが出てるので、最初にその日程で有給を取ってます。

シイナ:そうですよね。子どもの行事なんて年間スケジュールが先に分かってる分、スケジュール管理ってしやすいんですよね。
この日は空けておこう、というのを先にブロックしとけばいいだけなので。
だから、子どもの行事が忙しくて、自分の仕事に支障が出る、ということはあんまりないですよね。

まお:ないですよね。子どもの行事は全て先に決まってる。保護者会も検診も全部決まってる(笑)
やってやれないことはないんですよ。

家事も育児も、全部を自分でやろうと思うとできない

シイナ:シッターさんとか民間学童とかもそうですけど、やっぱり「人の手を借りる」って子育てと仕事を両立していくうえで、ポイントですよね。
全部を自分のことと思わずに、割り振ればいいんですよね。
私は家事代行も時々使ってます。

まお:そうですよね、いま家事代行もちょうど調べているところで。
家事ができていなくて自分でイライラするより、お金で解決した方が早いよな、と思えるようになってきました。
やっぱり、さきほどの育った環境に関係しているのかもしれないけれど、40過ぎても、いまだに冷凍食品を使っているのがバレると母親に怒られるんじゃないか、みたいな感情がどこかにあったんですよね。
でも、時代も変わってきてるし、食材の宅配とかも昔よりもずっと質が高くて、便利で美味しいんですよね。

シイナ:うん、今すごく便利なサービスいっぱいありますよね。
うちは子どもにすごくお手伝いをさせてて、家事は割り振ってるというのもあるし、家事代行とかシッターさんとか、あとはマッチングサービスみたいなのとか、いろいろ使ってます。

まお:やっぱりいろいろなサービスを使われてるんですね!

シイナ:家事の負担を減らしたいというのもあるんですけど、わたしは子どもとふたりきりの生活なので、できれば子どもがいろんな大人と関わった方がいいと思ってるんですよね。
身近な大人がわたししか居ないので。シッターさんでも家事をしてくれる人でも、いろんな大人と関わって、何かのときに自分で判断できるようになってくれればいいな、と。
意識的にそういう状況を作っていかないと、子どもにとって、わたしひとりになっちゃうので。「頼れる大人」が。

まお:確かに!仰る通りですよね。うちもおばあちゃんが近くに居るとかそういうわけではないので、夫とわたしだけですし。
それ、いろんな人を関われる環境を作ってあげることも大事ですよね。
それ、すごくポジティブだし、理にかなってるし。
うちも早く「外注化」すすめよう!

シイナ:子どもは、いろんな大人と関わる中で、いろんなことを覚えてきますよ。
だから、家事育児を誰かに頼むのは、別に悪いことではない。

まお:そうそう、全然ない。
なかなか話せないテーマですよね。
なんだかすごい勇気をもらいました…というか、自分の中でいろいろ整理できました。

仕事するわたしの背中を見せる

シイナ:お子さんはお母さんの仕事って理解してますか?
どんな仕事で、minneって何なのか、とか。

まお:そうですね、うっすらと…というか、この「minneのアトリエ」に来ることもよくあるので、なんとなく分かってますね。
minneがテレビ取材を受けたときに、一緒に放送を見たりもしてます。
ハンドメイドのこともなんとなく…、で、わたしが、「人になんか喋る役」だってのは、知ってますね。

シイナ:いいですよね、子どもに仕事を見せられるのは。
うちも、子どもはお店によく来てますし、お店のお手伝いもさせてるので、理解してます。

まお:なかなか、普通のオフィスだと仕事してる姿って見せられないですしね。
うちは会社がそういうことに対してオープンなので、子どもが小さい頃とかは会社に連れてきたりもしたし、ビルの中に保育所もあるので、そういった点ではいい環境でしたね。

シイナ:それはいい会社ですね。

まお:そう考えるとすごくいい環境で、たくさんの選択肢があったのは恵まれていましたね。

シイナ:働く姿を見せられるというのは、子どもも目で見て理解ができますね。
今日は残業なんだな、とか、イベント前で忙しいんだな、とか「働く理由」が分かると納得感もありますし。

まお:最近は、わたしが仕事を自宅に持ち帰って、隣で子どもが宿題してる…なんてこともよくあります。

シイナ:子どもに「仕事を理解してもらう」って重要なことですよね。
今日この仕事をすると、どんなお客さんに喜んでもらえて、そしてお金がもらえて、そのお金があってお寿司が食べに行ける!という。

まお:そうそう。ほんとそーですよね。大事〜、お寿司が食べれることは。

(第三話へ続く…)

第三話
・第一歩を踏み出す勇気と呼吸をするように発信していくこと
・既知の情報も、実際に「話を聞く」ことで新しい情報としてバージョンアップされる
・ハンドメイド業界の外に見つける「答え」
・とりとめもない話にこそ「正解」がある

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